奪ってKiss





「や…!私…お使いに行きたいんだけど…!」




そんな私を無視して…




「きゃっ」




腕を引っ張られ、木陰に連れて行かれた。




「さゆちゃんたち…見てないと…」




「大丈夫。声が聞こえたらすぐ行けるし、後数分でお母さんたちがくるから」




杉浦くんの瞳に、いつもとは違う恐怖を感じてしまった。




「やだ…退いて…」




いつの間にか私の身体は、杉浦くんに覆われていた。




「…こんなんつけやがって」




キスマークをなぞる指の力が強くなっていく。




「やだ…ねぇ、杉浦くん…」




溜まっていく涙。




少しずつ、距離が狭くなる―…




< 134 / 218 >

この作品をシェア

pagetop