奪ってKiss
そんな私を見て、ハッと我に還った杉浦くんが、慌てて私を抱き締めた。
「ごめん…!先輩…先輩…すみま…せん…」
杉浦くんね肩が震えてるような気がしたけど、自分の震えでわからない。
「先輩…」
私は乱れた服を整えて、家まで走った。
「先輩…!」
そう声が聞こえたけど、そのまま、振り向かず、まっすぐ、全速力で走った。
家に帰って聞こえたお母さんの声を無視して、部屋に飛び込んだ。
や…
やだ…っ
止まらない涙に震え。
布団にうずくまってそのままギュッと瞳を閉じた―…