奪ってKiss
「どういうことって何が?」
首を傾げる私に、
「前田先輩と手繋いで歩いて来てたじゃん!」
どうやら窓から私たちの様子が偶然見えたようで。
「あー…実はね?」
私は優ちゃんに、前田先輩と付き合うことにした、ということだけを話した。
そしたら、また、優ちゃんは驚いた表情をして、
「本当に?本当にいいの?失礼を承知で言うけど、杉浦くんじゃなくて前田先輩でいいのね?」
と、確認するように聞いてきた。