奪ってKiss
「うん。もとから前田先輩が好きだったし」
杉浦くんにドキドキしたのは単なる一時の気の迷い。
私は、前田先輩が好き。
そう言う私に、まだびっくりした表情をしつつも、
「そっか。良かったね、おめでとう」
少し複雑そうな表情だけど、祝ってくれた。
「けど、本当にびっくり!真美は杉浦くんに惹かれてるのかと思ってた!」
杉浦くんって言葉を聞く度に、少しどこかがチクンとする。
それはきっと、この間のことがあるから。
きっと、そう。
「帰りも一緒に帰るんだ♪」
「えー!早速ラブラブじゃん!」
それからはいつもみたいに楽しく話していた。