奪ってKiss
それから、お腹が空いたね、と何か食べることに。
どこで食べようか迷っている私たちの目に飛び込んできた看板。
「カップル専用カフェ…?」
「行ってみようか」
「はい!」
カップル専用っていう文字に、思わずまた顔が緩む。
私たち、カップルなんだ、って。
ずっと憧れていた“恋人”という関係。
お店の前まで行くと、ただメニューが書いてあるだけだった。
本当にカップル専用なのだろうか。
それにしても…
「…おいしそう」
ただでさえ幸せな気持ちなのに、見ているだけでも幸せな気分になれるくらいおいしそうなスイーツたち。
そんな私に、笑いながら、
「入ろっか」
と、言って、お店の中に入った。