奪ってKiss
そしてこの日の授業はあっという間に終わった。
優ちゃんは、涙の理由を聞くわけでもなく、ただ、優しくいつも通りに接してくれた。
溜め込まないで何でも話してねって言って。
今日はこのまま帰ろう。
そう思って校門を通ろうとした時。
見つけてしまった。
杉浦くんの姿を。
本当に何で…
学校に引き返そうかと思った、その時…
「先輩…!」
耳に、苦しいほど響く、杉浦くんの声が聞こえた。
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