奪ってKiss
「わざわざ…待ってたの?」
うっとうしそうに聞いた。
「もちろんです!」
そう言って杉浦くんは私の手を取り、歩いていく。
手を振りほどこうとしたけど…
「逃がしませんよ。」
…振りほどけなかった。
「俺に辞められたら、先輩だって困るでしょ?」
…………っ
困るよ…
だって…
キャプテンとか、メンバーのみんながすごく喜んでたから…
今日の練習だっていつもより気合い入ってたし…
「ほら、先輩。行きますよ。」
ズルい…
けど…
「何で私なの?」