奪ってKiss
「前田先輩…」
先輩はニコッと笑った。
「会いたくて来ちゃった」
と、言って。
部屋に2人きりの私たち。
会話がなくてどうしような悩んでたら、
「お母さんが出てきた時、すごく緊張した」
と、先輩が伸びをしながら言った。
「あ…お母さんに変なこと言われませんでしたか…?」
そういえば、男の人が家にくるなんて初めてだ。
先輩はクスッと笑って、
「責任を持ったお付き合いをしてくださいね、だって。あと、抜けている子ですが宜しくお願いしますって」
悪戯っ子のような笑顔に、私はむーっと膨れて、
「そんなに抜けてませんよ!」
と、言った。