奪ってKiss
「真美先輩、俺、先輩が好きでした。あ、これじゃあ過去形になっちゃいますね」
そう苦笑して、もう一度、
「真美先輩が好きです。今まで本当にすみませんでした」
そう深く頭を下げて、出ていった。
ざわめくみんなに、未だ俯く私。
なんで…
なんでそんなことを言うの…?
「で、俺からお知らせ」
周りの空気を変えるように、前田先輩が明るく言った。
―グイッ
「ひゃぁ!?」
いきなり身体に手を回され立ち上がらせられた私。
びっくりして後ろを見ると、前田先輩。
もちろん、みんなもびっくりしてる。