奪ってKiss




「それよりさ、“前田先輩”って、やめない?」




…………?




「名前で呼んでよ、真美」




……っ!




名前でって…




「呼んでみて?」




ず…ずるいよ…




そんな風には見つめられたら私…




「…りょ…りょ…」




なんだか恥ずかしくて、なかなか言えない。




それでもドキドキするような視線で見つめ続けてくる。




「真美、呼んで?」




赤く、夕日色に染まっていく頬。




「りょ…うじ先輩…」




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