奪ってKiss
「真美ー!…って、あれ?どうしたの?」
ドアの前で突っ立っている私。
明らかに不審だ。
「なんでもない。それより、浅海くん何だって?」
そう話題を変えて、屋上に入った。
風がスーッと身体を包んで、温かいポカポカとした日差し。
澄みきった青い空が、気持ちいいのに…
私の心と正反対で、切なさを感じた。
「あのね、浅海くんと付き合うことになったの」
すごく嬉しそうに笑うの優ちゃん。
親友の恋が実るのはもちろん嬉しい。
「おめでとう!」
抱き付いて跳ねるくらい2人で喜んだ。
それから、
「どんなこと言われたの~?」
と、ガールズトークで盛り上がった。
自分の恋を、こんな風に喜べないのは、なんでだろう―…