奪ってKiss





「真美ー!…って、あれ?どうしたの?」




ドアの前で突っ立っている私。




明らかに不審だ。




「なんでもない。それより、浅海くん何だって?」




そう話題を変えて、屋上に入った。




風がスーッと身体を包んで、温かいポカポカとした日差し。




澄みきった青い空が、気持ちいいのに…




私の心と正反対で、切なさを感じた。





「あのね、浅海くんと付き合うことになったの」




すごく嬉しそうに笑うの優ちゃん。




親友の恋が実るのはもちろん嬉しい。




「おめでとう!」




抱き付いて跳ねるくらい2人で喜んだ。




それから、




「どんなこと言われたの~?」




と、ガールズトークで盛り上がった。




自分の恋を、こんな風に喜べないのは、なんでだろう―…





< 175 / 218 >

この作品をシェア

pagetop