奪ってKiss
それから、午後の授業を受けた。
頭に入らない…
もうすぐテストなのに…
帰り道、亮爾と手を繋いで歩く。
「もうすぐテストかぁー、真美はどう?」
「今回はいつもよりヤバくて…」
何も頭に入らないんだもん。
ため息を付いた時、
「和くん!私アイスがいいな」
小柄で可愛い女の子と、歩く杉浦くんとすれ違った。
ドクッと心臓が音を立てた。
「真美?」
止まってしまった私を、亮爾が心配そうに覗きこむ。
「あ、ごめん。なんでもない」
そう慌てて言うと、
「俺が勉強教えてやる。今から家でやらない?」
そう笑顔で言う亮爾に、
「うん!ありがとう!」
と、腕にギュッと抱きついた。