奪ってKiss





“待つ”




それは、あの時のことだよね。




私はコクンと頷いた。




「真美は…待つって何をだと思う?」




少し、心臓がドクッと跳ねた。




「心の…準備…」




「それもだけど、それだけじゃない」




あの時の“もしかして”




そんな悲しい予感が、頭を過った。




けど、まさか…




何も答えず、見つめるだけの私。




そして…




「真美の気持ちが完全に俺に向くまで、だよ」




悲しい予感が、当たってしまった―…





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