奪ってKiss
こんな時に、
こんな状況なのに…
「真美…これでアイツとオアイコな」
杉浦くんの顔が、浮かんでくるなんて…
「自分の気持ちに素直になれ。真美はアイツが怖く感じたから俺と付き合った」
私は…
「アイツに気があったのは知ってた。これから俺を好きになってもらえたらいいって思った」
亮爾が好きだった。
なのに…
「今、誰を想ってる?俺は、真美が幸せなら、それでいい。それがいい」
いつの間に、こんなに彼を好きになっていたのだろう…
「行ってこいよ。今までのことは、10年でも経った時、笑いながら話してやるから。アイツの前で」
亮爾は意地悪に…けど、切なそうに笑いながら、私の乱れた服を直していった。