奪ってKiss
奪ってKiss
気付いた気持ち
杉浦くんが今、私のことをどう想ってるかなんて分からない。
私のことなんか、もう嫌いかもしれない。
けど、伝えたかったんだ。
最後の一段を登って、呼吸を整える。
大丈夫、と自分に言い聞かせて。
落ち着いてきて、ドアに手をかけた時、
窓越しに、見えた姿に固まってしまった。
だってそこには…
苦しくて、苦しくて、
私は、逃げ出した。
私に見えた姿。
それは
杉浦くんの膝の上に、女の子が座っていて、
手を首にまわし、見つめている姿だった。