奪ってKiss
「…っ!」
唇が重なった。
「お礼はこれでいいですよ。」
そう笑って杉浦くんは、もう一度、唇を重ねてきた。
「…ぁ…ふ…」
段々深くなっていく。
嫌なはずなのに…
抵抗できないのは、ネックレスが嬉しかったから?
夕日が作り出す雰囲気から?
違う…
ヤツのキスが…
余りにも甘いから―…
好きじゃないのに。
私は…
ヤツのキスに弱いのかもしれない。
「ごちそうさまでした。」
息1つも切らさずに言う杉浦くんは、夕日に照らされてどこか妖艶だった。