『natural source』(naturally番外編)
上等な着物を纏った腰元には不似合いな剣が携えられている。
マーセル国王家の紋章入りの……。
これで親衛隊とか衛兵じゃないことは明らか。
「あいにく、今日は頭の方に効く薬は持ち合わせておりませんわ。ランシェ様」
この不躾な男性が皮肉にも次男のランシェ様。
国の治安を保持されている父君のリューシュ様に似た男らしくも端正な顔立ちながら性格はひねくれてる……。
何故かわたしの顔を見る度に絡んできては憎まれ口を叩いてくる。
最初は笑って堪えてたけど、それもいつの間にかしなくなって、今ではこうやって笑顔で言い返したりしてる。
「頭だぁ~? 顔も剣術の腕も良い俺様に頭脳まで加わったりしたら世の中不公平だろっ」
こんな呆れ果てるようなこと言ってケラケラ笑う姿も見慣れたもの。
「栄養が顔と体にばっかりに偏ってしまって……ホント世の中不公平ですわね」
ホント、黙って剣を握っていれば……カッコイイんだろうに。
それに、これだけ人に軽口叩ける頭の回転の良さを勉強に回せばいいものを……。
「ランシェ~。おまえはまたアンジュに絡んでたのか」
不意に背後から聞こえた声でわたしは慌てて頭を下げた。
「なんだ親父。仕事しろよ」
マーセル国王家の紋章入りの……。
これで親衛隊とか衛兵じゃないことは明らか。
「あいにく、今日は頭の方に効く薬は持ち合わせておりませんわ。ランシェ様」
この不躾な男性が皮肉にも次男のランシェ様。
国の治安を保持されている父君のリューシュ様に似た男らしくも端正な顔立ちながら性格はひねくれてる……。
何故かわたしの顔を見る度に絡んできては憎まれ口を叩いてくる。
最初は笑って堪えてたけど、それもいつの間にかしなくなって、今ではこうやって笑顔で言い返したりしてる。
「頭だぁ~? 顔も剣術の腕も良い俺様に頭脳まで加わったりしたら世の中不公平だろっ」
こんな呆れ果てるようなこと言ってケラケラ笑う姿も見慣れたもの。
「栄養が顔と体にばっかりに偏ってしまって……ホント世の中不公平ですわね」
ホント、黙って剣を握っていれば……カッコイイんだろうに。
それに、これだけ人に軽口叩ける頭の回転の良さを勉強に回せばいいものを……。
「ランシェ~。おまえはまたアンジュに絡んでたのか」
不意に背後から聞こえた声でわたしは慌てて頭を下げた。
「なんだ親父。仕事しろよ」