『natural source』(naturally番外編)
「毎度毎度ご苦労だな。ショウ」
部屋を出たところで不意に呼び止められ、声の主の方へと振り返り一礼した。
「あのじゃじゃ馬娘、今日は粉石鹸をぶちまける気か」
「申し訳ありません。すぐにお止めします」
「大丈夫大丈夫。今日はシェナが洗濯場に先回りしてる。今頃は昨日の件も交えて説教されてるだろ」
こう言って彼女の父親、リューシュ様はカラカラと豪快に笑い飛ばした。
どうやら今日は母親のシェナ様が、お嬢様の行動を予測して洗濯場に先回りしているらしい。
これで今日は大丈夫かと安堵する。
「でもなショウ。シュリがああやって悪戯するのもアイツなりのスキンシップなんだぞ。おまえさんにはいい迷惑だろうけどな」
「スキンシップ?」
「悪戯して騒ぎを起こせばおまえは必ずシュリの前に現れるからな。アイツはそれが嬉しくてやってんだ」
それは俺を困らせるのが嬉しいという意味だろうか……。
だとしたら、それは決して良い趣味とは言えない。
「そんな眉間にシワ寄せて難しく考えるな。答えは単純なことだ」
なにやら意味深にこう言い残してリューシュ様は、後ろ手に手を振りながら去っていく。
答えは単純、と言われても俺には検討すらつかない。
仕方なく小さな疑問を残したまま俺は、再びお嬢様を追って洗濯場へと足を向けた。
部屋を出たところで不意に呼び止められ、声の主の方へと振り返り一礼した。
「あのじゃじゃ馬娘、今日は粉石鹸をぶちまける気か」
「申し訳ありません。すぐにお止めします」
「大丈夫大丈夫。今日はシェナが洗濯場に先回りしてる。今頃は昨日の件も交えて説教されてるだろ」
こう言って彼女の父親、リューシュ様はカラカラと豪快に笑い飛ばした。
どうやら今日は母親のシェナ様が、お嬢様の行動を予測して洗濯場に先回りしているらしい。
これで今日は大丈夫かと安堵する。
「でもなショウ。シュリがああやって悪戯するのもアイツなりのスキンシップなんだぞ。おまえさんにはいい迷惑だろうけどな」
「スキンシップ?」
「悪戯して騒ぎを起こせばおまえは必ずシュリの前に現れるからな。アイツはそれが嬉しくてやってんだ」
それは俺を困らせるのが嬉しいという意味だろうか……。
だとしたら、それは決して良い趣味とは言えない。
「そんな眉間にシワ寄せて難しく考えるな。答えは単純なことだ」
なにやら意味深にこう言い残してリューシュ様は、後ろ手に手を振りながら去っていく。
答えは単純、と言われても俺には検討すらつかない。
仕方なく小さな疑問を残したまま俺は、再びお嬢様を追って洗濯場へと足を向けた。