『natural source』(naturally番外編)
そしてきっとまた、このまま自分を抱き上げて部屋のベッドまで連れていってくれる。
だから、部屋を飛び出すのは止められない。
なんて密かな期待感は、
「いい加減にしてください」
いつもより厳しい眼差しをしたショウの言葉で、打ち破られてしまった。
あぁ……。
とうとう怒らせてしまったんだ。
身を預けていたショウの腕の中で、しょぼくれたように顔を伏せた時だった。
「……あまり心配させないでください」
小さく呟くなりギュッと腕に力が入り、顔がショウの胸元に押し当てられる感覚に胸が高鳴った。
その後はショウは、やっぱり自分を抱き上げて、部屋のベッドまで運んでくれた。
去り際。
背を向けたショウの服を引っ張り、
「……眠るまで居て?」
驚いて振り向いた顔に告げると、一瞬小さく笑い、ずっと優しく髪を撫でてくれた。
思えばずっと、自分はショウに甘えてばかり居たんだなと、改めて実感してしまう。