『natural source』(naturally番外編)
「ついでに、シュリちゃんのお見舞いに行こうとして倒れたシューゴを担いでもらったコトもあったわね」
「それなら、感染るからダメだって言われてるのにシュリの部屋に入ろうとしたランシェを捕まえてるところも見たわ」
ショウさんに迷惑かけっぱなしね……この兄妹は。
呆れたようにアンジュに言われたセリフが、シュリの頭に重くのし掛かった。
家事も出来ない。
ショウの身の回りどころか、自分のコトすら危うい。
その上、甘えっぱなし。
「ショウの奥さん失格だ……」
あまりの自分の情けなさに、父親譲りの瞳にじわっと涙を溜め始めた。
「どうしよう。ますますシュリちゃんが落ち込んじゃったわ……」
「こうなったらショウさんを呼ぶしか……」
予想外の義妹の落ち込みっぷりに、リンもアンジュもおろおろと動揺してしまっている。
お茶会どころじゃなくなってしまった部屋に、コンコンっとノックの音が響いた。
「お話中失礼します」
「あっ! 良いところに!」
扉の先から現れた人物に、リンとアンジュは手を叩いて喜んでいる。
「はぁ」
何故か二人に歓迎され、ショウは遠慮がちに中へと入った。