『natural source』(naturally番外編)
「シューゴ様が熱を出されたので部屋にお連れしました」
「えっ!?……わざわざありがとうございます」
しっかり者の義弟に、貧弱な旦那様がお世話になったとあってリンは慌てて頭を下げる。
更に、
「あと、ランシェ様が……」
「えっ! ウチもっ」
「腕に切り傷を……」
「またっ!? ……わかりました」
まさか自分のやんちゃ盛りの旦那までが迷惑をかけてるとは夢にも思わず、アンジュは顔をしかめた。
「あの…………」
こうしちゃ居られないと、部屋から出ようとする二人を呼び止め、ショウが視線を投げかけた先には、
お茶会に行くのを楽しみにして別れたことが嘘のように、すっかり塞ぎ込んだシュリの姿があった。
「多分……不甲斐ない兄たちがショウさんに迷惑かけっぱなしで落ち込んでるんですよ」
「そういうワケなので……シュリのコトお願いしますねっ」
そそくさと出て行く義姉たちの背中を見送り、ショウは改めてシュリの方に向き直る。
「シュリ?」
椅子の上で膝を抱え、顔を埋めてしまっているシュリに歩み寄りしゃがみ込んでみせた。