『natural source』(naturally番外編)
シュリがじゃじゃ馬でシューゴが子犬なら、ランシェは何だろう。
なんて考えながら、今度こそ部屋へ戻ろうとしたアンジュの目に、
「ショウの奴、どこ行ったんだ? まだ決着がついてねぇのに」
「……暴れ牛」
腕から血を垂れ流しながら、ショウを探すランシェの姿が飛び込んできた。
「ランシェ! ショウさんに喧嘩売ったりして……」
「喧嘩じゃねぇよ。試合だっ」
「どっちだって良いわよっ! とにかく部屋戻るよ」
血の気の多い暴れ牛な旦那様の手を取り、傷の手当てをしようと足を進めるが、
「何だよ……今日はヤケに積極的だな? アンジュ?」
何を勘違いしたのか、ニタっと不敵に笑ったランシェは手を引き、アンジュを自分の方へと引き寄せた。
「ち、違うっ!」
「わかってるって。今日はいつも以上にたっぷり可愛がってやるからな」
「ランシェっ!」
腕の傷も何のその。
さっとアンジュを両腕に抱え上げ、そのまま二人は手近な空き部屋へと姿を消してしまった。