『natural source』(naturally番外編)
「いやぁ。孫の顔を見る日も遠くないな」
その一部始終を、どこからともなく見守っていたリューシュが朗らかに笑えば、
「そう思うならもっと落ち着いてよ。娘婿に一戦申し込んでる場合じゃないでしょ」
呆れたようにシェナが呟き、リューシュの耳を思い切り引っ張った。
「やっぱり良かった」
「えっ?」
「あの時シェナを迎えに行って。……でなかったら、あんな風に幸せそうな顔した家族が三つも出来てなかったんだぜ?」
耳を引っ張っていたはずのシェナの手はいつの間にか、リューシュの口元に寄せられ、その甲に軽くキスを落とした。
「シュリの気が強い癖に泣き虫なところはシェナ似だな。シューゴの一途さとランシェの照れ屋も」
「だったら……シューゴの優しさはリューシュ譲りね。シュリの純粋さとランシェの負けず嫌いさもそっくり」
子どもたちを通してまた、お互いの好きなところを一つ一つ確認していく。
恥ずかしいような照れくさいような、それで居て幸せなこんな時間を子どもたちもまた……紡いでいくんだろう。