『natural source』(naturally番外編)
真っ白になった頭の中には次々と怒りと哀しみが沸き上がり始めた。


自分付きの近衛兵でありながらショウは自分に何も言ってはくれなかった怒り。


それだけじゃない。


心を通じ合わせたはずの自分に、こんな大事なことを打ち明けてくれなかった哀しみが心を支配していく。


堅物なショウが心が通い合った後も、主従の関係を一切崩さなかったコトは、彼の性格上仕方ないと自分に言い聞かせてきた。


それでもいつか遠くない未来。


お互いの道が重なると信じてショウのコトを変わらず想い続けてきた。


なのに……。


自分に何も言わずにショウは騎士団から去り、結婚までしてしまうというではないか。


あの夜の言葉は偽りだったのか……。


シュリの胸は激しく波立っていた。


「……ひどい」


「シュリ様?」


「失礼するわ。ユウセイ」


話題を口にした途端顔色の変わったシュリは、目を円くするユウセイに構わずさっさとこの場から立ち去って行ってしまった。
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