『natural source』(naturally番外編)
「じゃあ結果オーライってコトで俺がネタバレしたのは時効にしてくださいよ、シュリ様」


「でも、おかげでショウもわたしもびしょ濡れだったんだから」


お茶会から数日後。
縁側で出先からショウが戻るのを待っていたユウセイが、こう言って苦笑いを浮かべた。


一世一代のプロポーズが二人して濡れ鼠になってしまったことが、当のシュリ的には少しばかり不満だったようで。


こうしてたまにチクチクとユウセイに厭味を言うのがシュリのお馴染みになっていた。


「それより……ショウはなんでそんなにチヤホヤされてんのかねぇ? 如何にも男臭い硬派なイメージなのに」


これ以上プロポーズの話題に触れるまいと話の矛先を変えたユウセイに、


「……そうなの。ショウって実は女性ウケが良いのよね……」


旦那様の周りからの評判が良すぎると、複雑な心境で今度は重い溜め息を漏らす。


硬派で男らしく頼れる旦那様に不満は無いけど、


「……ショウの奥さん、わたしでイイのかしら」


身の回りのコトもあっぷあっぷしてる自分には勿体ないんじゃないか……なんて有り余る幸せがシュリの小さな悩みになっていたりしていた。
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