僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「え、いーよ!」

「張っといた方が良いって!明日になると、もっと痛いから!」

「え…あ、じゃあ。」


ひとまず貰っておこうと、徳幸は手を出した。

つもりだったのに、

「どれぇ、見せて。」


茜は徳幸の頬に軽く手を触れた。


「って!」

「あ、ごめん!この辺ね!」


そして、湿布を適当な大きさに切ると、徳幸の頬に向って接近してきた。


その顔の近さに、
目のやり場に困った徳幸は、
一度は廊下に視線を落としたが…

やはり、そこは十六歳の男子。


茜の唇が気になって、
つい目がいってしまう。


年頃の女の子の唇…


それはもう、ドキドキしていた。


こんなに間近で見るのなんて、初めてなのだから仕方がない。


ほんの少し、動きでもしたなら…


想像しただけで、生唾が貯まり、
ゴクンと呑み込んでは、
慌てて、視線を床に移した。


「はい。できました。」

「あ、ありがと。」

「目立つけどしょうがないね。なんか聞かれると思うけど。」

「黙っとくよ。」

「…あ、ありがとう。」

「うん。じゃ、あっち行くよ。」

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