僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
ひとりで勝手にあぶなかった徳幸だったが、

無事、何事もなく、防音室へと入って行った。

そのとたん、


「トク!」

「どした?」

「何?どーしたのソレ?」


分かってはいたが、大注目の的となった。


「ちょっと…ぶつかった。」

「喧嘩?」

「まさか。」

「大丈夫なの?」


心配してくれる波多野に対し、
なぜか目をそらす徳幸。


「うん。大したこと無いんだけど、ちょっと大げさなんだ。」

「だって、誰にやってもらったの?それ!」


天然のくせに、イイ質問をする律子に、

「自分でだよ。」

“それ以上は聞かないでくれ”と念じながら答えた。


「自分で大げさにって…どんだけ心配してもらいたいんだよ!」

「やー(そっか!)やっぱ嬉しいね!皆が俺を大好きだってことが、よーく分かったよ!」

「遅れて来といて何言ってんだよ!早くギター出せって!」


と、一応、この件はそれで済んだのだった。


でも、心配だったのだろうか、


しばらくすると、茜も姿を現した。

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