僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「あ、妹さんなの?こんにちは!お邪魔してまぁす!」


律子が挨拶すると、愛敬良く返答してみせる茜は、

隙を見て、徳幸にアイコンタクトを送った。


『大丈夫だった?』

そう受け取った徳幸も、

『大丈夫。』

と、軽く頷いてみせる。


それだけで退室しても、
何しに来たんだって話になるため、
茜はしばらくそこにいた。


「今日はどーしたの茜ちゃん。」

「何かんちゃん!あたしが邪魔なの?」

「そんなこと言ってないじゃあん。」


神戸の言葉で、徳幸は思い出した。


(そうじゃん!光一は波多野か茜が好きだったって…おいおい、律子も居るじゃん!どーなんだこれ!)


「じゃあ、茜ちゃんとりっちゃんをゲストに、何曲かやっちゃいますか?」


さらに神戸の仕切りで、演奏までも始まってしまった。


正面に座る律子の、その隣には茜がいる。


波多野に関して言えば、
光一が律子とつきあうことになった時点で、
見切りを付けたか、
はじめから恋愛対象では無かったと言うことが考えられる。


(問題はこの二人だなぁ。光一のヤツ、どんな気持ちでいるんだろ?碧人やコービーだって、よく平気だよなぁ。)


そんなことを考えながらの徳幸のギターは、所々ミスが目立った。

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