僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「やっぱりな〜!な、碧人、俺が前に言っただろ!確信は無かったけど。」


神戸ひとりが、誇らしげな顔へと変わっていった。


そして、

律子と光一は、
なんとなく、納得がいっていないようだった。



茜の公開告白の瞬間、
徳幸はとっさに波多野を見ていたが、

その時の波多野は、茜のことを見ていたので、
目が合うことは免れた。


そして今度は、兄である碧人に視線を移すと、

“何で?”

と、表情とジェスチャーで質問された。


思ってもなかった展開に、
ただ、ひたすら首を傾げるしかなかった徳幸は、

ケロッとしている茜に困惑して、
ただ、あたふたするだけで…。


(なになに?また俺、なんか利用されてるワケ?だって、ありえないだろ〜!さっき男と別れたばっかじゃんか!)



興味深々の神戸の質問に紛れて、

「どーゆーこと?」

徳幸もが、茜に、この件について尋ねるという事態に、


「そりゃないだろぉトク!“好きだ”って言われてんのにさぁ!」

神戸が口を挟んだ。


「いいの!タカともキッパリ切れたし!ソレも含めての、これは報告だから!てなワケで…皆さん、ごきげんよう!」


防音室に、『!』と『?』と『…』を置き去りにして、

とっとと茜は退散した。

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