僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「…(そうだったんだぁ)。」

「タカじゃ安心できねーだろって話だよ。」


徳幸は、夕方の茜の言葉を思い出していた。


(利用って、このことだったのかぁ。)


「何をしたのか知らねーけど、タカとは切れて、今度はトクみたいな?!」

「え!」

「話戻すとさ、トクと波多野の関係を、健気な妹が食い止めたってコトだな。」

「何だよソレ。」

「意地っ張りで、素直になれない兄のためにさぁ。…ホントもどかしいんだよ、あいつらは!」

「へー。」

「碧人だって、波多野の気持ちは、とっくに気付いてるんだ。だけど、人には絶対、一緒んとこ見せなかったんだぜ!波多野が気にせず話かけても、皆の前で素っ気なくあしらってさ…」

「そんな碧人、想像つかねぇ。」

「祭りの夜、オレら女のグループ達と一緒にいてさ。そこに、波多野が通りかかったら、碧人のやつ“早く帰れよ”って、冷たくしちゃってさ。でも、しばらくしたら姿がなくて…あいつ波多野の後、追っ掛けてったんだ。」

「ふーん。」

「他の女子は“どこ行った”って騒いでたけど。」

「…そっか…」

「勘違いすんなよ!俺は諦めろって言ってんじゃないからな!ただ、そーゆーことがあるってことは知っといたほうが良いかなぁってさ!」



光一からのアドバイスを受け、
考えてみれば、
色々、思い当たることが、
次々と頭に浮かんだ。
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