僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
命日
その日、徳幸は独りで、海岸線沿いを歩いていた。
何日か前、
光一がこっそり教えてくれていた、
今日は、波多野の弟の命日にあたるらしく…
「皆で墓参りに行くんだ。だから、練習は無しってことで!」
「ああ。そりゃそーだよ。」
アツキくんと面識の無い徳幸は、当然、誘われることは無かった。
もちろん、ふて腐れているワケではない。
ただ、幼い頃に、父方の祖母が他界した時ぐらいしか、身近な不幸に立ち合ったことの無い徳幸には、
皆の心境が、どんなものなのか、分からなかった。
そして軽率にも、茜にあんなことを言ってしまって以来、
もう二度と、
この話題に関しては、触れない様にしていたのだった。
と言うことは、必然的に、
波多野の恋路の手助けも、
自分の恋の行方も
それ以上、邁進することができず
一時停止状態となっていた。
でも、気持ちの中では、
理解しようという思いであふれ、
その時、ふと思い浮かんだのが
“北村恭一”の存在だった。
しかし、自分はそれほど関わりは無く、
かと言って“恩田未知子”に、接触するつもりなど毛頭ない。
徳幸は、接点があったと言う、梅原のもとへと向う途中だったのだ。
何日か前、
光一がこっそり教えてくれていた、
今日は、波多野の弟の命日にあたるらしく…
「皆で墓参りに行くんだ。だから、練習は無しってことで!」
「ああ。そりゃそーだよ。」
アツキくんと面識の無い徳幸は、当然、誘われることは無かった。
もちろん、ふて腐れているワケではない。
ただ、幼い頃に、父方の祖母が他界した時ぐらいしか、身近な不幸に立ち合ったことの無い徳幸には、
皆の心境が、どんなものなのか、分からなかった。
そして軽率にも、茜にあんなことを言ってしまって以来、
もう二度と、
この話題に関しては、触れない様にしていたのだった。
と言うことは、必然的に、
波多野の恋路の手助けも、
自分の恋の行方も
それ以上、邁進することができず
一時停止状態となっていた。
でも、気持ちの中では、
理解しようという思いであふれ、
その時、ふと思い浮かんだのが
“北村恭一”の存在だった。
しかし、自分はそれほど関わりは無く、
かと言って“恩田未知子”に、接触するつもりなど毛頭ない。
徳幸は、接点があったと言う、梅原のもとへと向う途中だったのだ。