僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「これだよ!(この感じ)」

「そうだよ。で、これが、今は亡き北村恭一。」

「…そうだ、この人だ。…二人、同じクラスだったんだぁ。」

「公認の仲ってヤツ。」

「ふっ。幸せオーラが…」

「北村恭一は、うちの学校じゃ、カリスマ的存在だったんだよ!ね、先輩!」

「そうだな。北村のおかげで、うちの陸上部希望の新入生が増えたって話だし!」

「へー。足、速かったもんなぁ、あの人。」

「…人生もなぁ…まだ信じられないよ。俺、葬式行ってないから。」

「え、どうしてっすか?」

「試合と重なって!つか、そんなに仲良かったワケでもなかったし。」

「ふ〜ん。」

「はじめは、けっこー暴れてたんだよ、こいつ!」

「そうっすよ!小学校の時のイメージは、そんな感じっすよ!なぁ、キム!」

「人間、変わるもんだよなぁ。この前さぁ、俺、恩田のこと見かけたんだけど、随分と落ち着いた感じになっちゃってて、声かけれなかったなぁ。」

「!」


その先輩の一言で、徳幸は思った。


(俺も、あの時よく恩田未知子だって分かったなぁ。だって、小5年の夏に転校して以来だったのに。)


小学校の時、いつも遠くからだけ、未知子を見てた徳幸は、

あの夏の海の帰り道、

向かいから歩いてくる未知子に、
随分と遠くのうちから気がついていた。


「向こうは気がつかなかったんすか?」
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