僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「て言うか、俺のこと知らねんじゃね?って感じ。」

「なんすかソレ?存在感うす過ぎじゃないすか。」

「恩田って、北村以外の男と、あんま接点なかったんじゃねーかと思って。」

「そーなんですか?アレ?昔は男に混じって、活発に遊んでたけど…」

「北村が恐くて、皆、恩田に話かけれなかったってとこかな!」

「わぉ〜っ!キム、“恐いもの知らず”って、こえ〜なぁ、オレら!」

「でもさぁ、恩田さんは、ソレで良かったのかな?」

「北村自身の仲間はオッケーだったみたいな!少なかったけど、恩田にも女友達は居たし!ま、大半の女子から嫌われてたけど。」

「マジっすか?!」

「北村と園田のツートップを二股かけてるってさぁ」

「あー。昔っから一緒だったもんなぁ。あの三人。」

「幼なじみだか何だか知らねーけど、端から見ると、異様な感じっつーの?」

「…」

「なんつーかさ“もっと視野を広げて、周りを見てみろよ!人間はおまえら以外にも居るんだぞ!”って言ってやりたかったなぁ。」

「…それで、うまくやっていけたと思います?」

「実際、こーして北村がいなくなって、恩田はどうしてるんだって話だよ!ただの同級生でしかなかった俺がだよ、街で見かけて声かけても、逆に話に困るなら、“気付かないフリした方がイイや!”ってなるだろ。」

「それは…(確かにそうだなぁ。)淋しいですね…やっぱ。」


「いたいた、園田。」


梅原が指を差す写真の、園田という男は、
端整な顔立ちの、いわゆる“イケメン”というヤツだった。
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