僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「なんだ、そりゃ残念だったなぁ。君が居たら、もっとメダルが増えてたかもしれなかったのになぁ。」

「先生、欲張りすぎ!陸上部、今、凄いらしいじゃん!オージーとして誇らしいよぉ!」

「なら、もっと顔出しに来いや!心配したぞー!」

「…すみません。」


未知子は、急にしおらしくなった。


でも、さすが大人で、教師という立場なだけある、その男は、
たじろぐことなく、話を続けた。


「でもこうして、ここに来れたってことには、何か意味があるんだって…思って良いんだよな!?」

「んー…まだ、手探りな感じだけど…」

「なぁ…焦ることないぞ。ムリすることもない!」

「…確実にね、去年の今とは…少し違うのが分かる。」

「そっか!なら安心して、オービー会の通知が送れるな!」

「え、なーにー!そんな気を使わせちゃってたの、あたし?!」

「それが俺の仕事だ!で、顔は出してやったのか?」

「うん。さっき。」

「今日、バスケ部は練習試合に行ってて、誰も来ないぞぉ。ツイてないなぁ。」

「そーなんだぁ…」

「なんなら、体育倉庫からボール出して、あの隅にあるゴールにシュートでもしてて良いぞ!俺が許す!」

「お!随分偉くなったように見えますが…」

「実は、そーなんです。じゃあ、ちゃんと片付けてってくれよぉ!また、いつでも来いや!」


その男は陸上部の元へと走って行った。


「ちょっと、やってく?」
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