僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
二人は、端に置かれた、足付きゴールに向かって、
代わり番こにシュートを打って、時間を費やした。


昼になり、体育館使用の交替で、バトミントン部が出てくるのが見えると、

「あ、終わったみたい!ちょっと覗いてきてイイ?」


持ってたボールをパスしながら未知子が言った。


徳幸が頷き、走って行く姿に、
すれ違った後輩の何人かが、未知子の存在に気がついて、振り返っていた。


特に何も言われなかったので、
ただ、その様子を遠くから見つめていた徳幸は、
しばらくして戻ってきた、未知子の目が、
なんとなく赤かったことには、
気付かないフリをした。


「この後はどーする?」

「あ!あのね、あたしお弁当作ってきたの。」

「え!それでそのカバンだったのかぁ。」

「基本的に、いつもカバンはでっかいの。」

「…俺の分もあるの?」

「足りると思うよ…なんせ初めてのコトだから!」

「マジ嬉しいんだけど!どこで食おっか?!」

「じゃあ、海岸公園でも行きますか?!」

「…なんか、デートみたいだな。」


二人は、照れ隠しをしながら、海岸へと向かった。


「園田くんとは、こーゆーことないの?」

「ナイなぁ。恭ちゃんに遠慮してるんだと思う。」

「…」


ランチボックスを開けると、サンドイッチがギッシリと並んでいた。


「うまそ〜!!いただきま〜す!」
< 130 / 202 >

この作品をシェア

pagetop