僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「俺?…んー、転校生じゃなくなった!」

「何それ?」

「俺には深い意味があるんだよ。」

「…兄貴、誰ともクラス違っちゃったってね!」

「碧人、茜ちゃんに愚痴るの?」

「あたしが聞いたの。でもカオリンとトクが違うクラスだったから安心した。」

「!」


徳幸はドキッとした。


(それって、碧人の為に安心したのか?それとも、俺のことで…のワケねーか!)

すると、

「トクは残念?」

「は?」

「同じクラスになれば、カオリンとの距離がグーンっと近づいたかも知れなかったもんね!」

そんな茜の言葉に、隠していた今の気持ちを、ひっこ抜かれた気がした。


「別に遠くもなってないし。」

「だって、バンドも抜けちゃったんでしょ?」

「抜けてねーよ!」

「!」

「あ…ごめん。」

「…そんなに好き?」

「そーゆんじゃなくて…だって、おまえらの絆って、そんなんじゃないんだろ?」

「あたしね、カオリンが抜けたことに、何か意味があるように思えて…それがトクじゃないかなって」

「それは無い!…と思う。でも、もしそーなら嬉しいけど。」

「やっぱり。」

「誰だって嬉しいだろ!」

「?」

「前に茜ちゃんが言ったウソにも、軽く浮かれたし、俺。」

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