僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
碧人は色々思い出そうとしていた。


波多野はともかく、
徳幸が、それ以外の女子と話してる時の様子や、
最近、練習のあと、とっとと帰っていくこと。


「茜とはどーなってんだ?」


とにかく、まずは茜から探ることにした。


「なんなの突然?」

「だって気になるだろ!皆の前で告っといて…だいたいトクは俺の友達だぜ。」

「…そのお友達は、なにかに応えようとはしてくれてるけど…あたし、義理は嫌なんだよねぇ。そーゆーのは、もうウンザリ!だからトクがイイかなぁって思ったのに、そんなだから、なーんか…冷めちゃった。」

「何だよソレ!おまえ、トクのこと何だと思って…」

「…なによ!」

「おまえ、知ってたの?」

「なにが?」

「トクと波多野のこと、なんか聞いてたのか?」

「何言ってんのかわからない。」

「…俺のためか?!そんでトクを振り回したのか!」


碧人は腹が立って仕方がなかった。


茜のしたことにはもちろん、
全く気が付かなかった自分に、
そして、
一人で思い込み、勝手に信じ、
相手の気持ちも考えずに、
すっかり、あぐらをかいていた自分が、情けなくも思えた。


(今ならまだ、遅くないか?)


気持ちは焦っていた。

でも、どう動いたら良いのかがわからない。

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