僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
こればかりは、人の気持ちの問題であって、
両方の思いが通じていなければ成立しないワケで…


そして碧人は覚悟を決めた。


たとえ、その気持ちが、
自分にではなく、
徳幸に向けられていたとき、
それを受け入れられる、心の準備が必要なことを…。


そんなある日、


「りっちゃん!」

「あー、小出くん。おはよ!」

「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさぁ。」

「うん。なに?」

「波多野に言い寄ってる野球部の男って、どいつ?」


はじめは不思議そうにしていたが、
その手の話が大好きな律子は、
すんなりと、その人物の正体を教えてくれた。



碧人の目に映る、その男は

野球部独特の年功序列を意識した
自信あり気で頼りがいのある、
少し強引そうな、三年男子だった。


それに比べ、
クールで大人っぽく見られがちだが、
本当はシャイで、何を考えているのか分からない徳幸と、
お調子者の碧人といった

“文科系”組は、

実際、女の子から見てどうなのだろうか?


その時、
実はスポーツ万能な徳幸の方が、
野球部には対抗できる気がしてきた碧人だった。


それにしても、何からどう取り掛かれば良いのか…?
考えているうち、
碧人の耳に、
ある残念な知らせが入った。
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