僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「香織がね、ついにオーケー出したって〜!!先輩の“粘り勝ち”ってとこだね!」
まだ五月だというのに、
なんとなく汗ばんでくる様な、
そんな陽気の昼下がりだった。
甲子園に向け、
試合に挑む野球部員と、
それを応援する、
ブラスバンド部員の恋は、
噂となって、たちまち広がり、
徳幸のもとにも届いていた。
「話がちげーじゃねーかよ!なんで他の男とくっついてんだよ!」
徳幸は、納得出来なかった。
何の為に自分が身を退いたのか、その理由や、
ハッキリしない碧人の態度に対し、
この、どこにも向けることの出来ない感情を、
その日一日、
クラスメイトの無視と、ふて寝で表現していた。
もちろん、練習にも顔を出さず、
そんな日がしばらく続いた。
碧人も、徳幸が来ない理由を分かっているつもりでいる。
これ以上、二人の仲が気まずさを増さぬよう、
間に入っていた光一も、
器材運びで忙しくなってしまい、
波多野と同じクラスで、微妙な立場の神戸も気まずく…
いつしか、バンド活動は休止となっていた。
そんな様子をみて、
ついに、茜が立ち上がった。
「あたしのこと忘れてない?まさか勝手に“バンド解散”なんてことには、ならないよね?!かんちゃん!」
まだ五月だというのに、
なんとなく汗ばんでくる様な、
そんな陽気の昼下がりだった。
甲子園に向け、
試合に挑む野球部員と、
それを応援する、
ブラスバンド部員の恋は、
噂となって、たちまち広がり、
徳幸のもとにも届いていた。
「話がちげーじゃねーかよ!なんで他の男とくっついてんだよ!」
徳幸は、納得出来なかった。
何の為に自分が身を退いたのか、その理由や、
ハッキリしない碧人の態度に対し、
この、どこにも向けることの出来ない感情を、
その日一日、
クラスメイトの無視と、ふて寝で表現していた。
もちろん、練習にも顔を出さず、
そんな日がしばらく続いた。
碧人も、徳幸が来ない理由を分かっているつもりでいる。
これ以上、二人の仲が気まずさを増さぬよう、
間に入っていた光一も、
器材運びで忙しくなってしまい、
波多野と同じクラスで、微妙な立場の神戸も気まずく…
いつしか、バンド活動は休止となっていた。
そんな様子をみて、
ついに、茜が立ち上がった。
「あたしのこと忘れてない?まさか勝手に“バンド解散”なんてことには、ならないよね?!かんちゃん!」