僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
茜は、神戸から、
徳幸のアドレス等を聞き出した。


ケータイの着信の番号に、首をかしげながら、ボタンを押す徳幸は、

その声の正体に驚いた。


「なんで?」

「話があったからに決まってんでしょ!」


話は予想がついた。


「なんでしょうか?」

「あのさ、邪魔しておいて、あたしがこんなこと言うのもなんだけどさぁ!こんなことになるなら、トクとカオリンがくっついた方が良かったんじゃないかって!」

「はぁ?!」

「だいたい、トクも兄貴も、カオリンのこと好きな気持ちって、そんなものなワケ?」

「つっ!つか、勝手なことばっか言ってんなよ!なんなんだよ!何様だよ!」


まるで八つ当りする様に、
徳幸は、茜を責め立てた。


「そんなに悔しいなら、奪い取ってくれば良いじゃん!」

「…」


確かに、その通りだった。

いや、そんなことは分かっていたのに、気付かないフリをしていたのだ。


結局、それを出来ないでいる自分が、
何より、一番腹立たしかった。


茜に言われ、自分の情けなさを身に染みて感じた。


「俺ってさ、人にモノを言うの苦手なんだ。ほら、“転校生のくせに生意気だ”って、ただでさえ言われがちじゃん。」

「…良くない癖だね。でももう、転校生じゃないでしょ!」
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