僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
その瞬間、
徳幸の口から出た言葉は、


「困るよ…碧人の妹だし…」


そんな徳幸を見て、茜が言った。


「やだな〜トクはぁ!マジメってゆーかさぁ…もうちょっと、こう、軽いノリで、“ありがと”とか言ってくれれば、あたしも帰りやすかったのになぁ。」

「それじゃ…キャラがかぶるだろ。碧人と。」

「あはは、それもそうだね!だからトクの方がモテるのかな?!」

「そんなことねーよ。」

「ほら!ここで使わなきゃ!今教えたばっかでしょ!」

「え、あ、ありがと。」

「あーあ、だめだこりゃ。」

「モテなくたってイイいんだっつーの!」

「あ、兄貴と同じコト言ってる。」

「ん?」

「モテなくてイイって!ひとりから好かれてれば良いんだって!…トクも?」

「…」

「黙ってたら気持ちは伝わらないのに。言っても伝わらないんだから…難しいね!」

「それはさ、伝え方や、人にもよるんじゃね?」

「うわっ。」

「言葉じゃないときだってあると思う。」

「はぁーっ。だからトクに届かないのかぁ。」

「は?」

「じゃあ、チュウでもすれば気づいてくれる?」

「…そーゆー冗談好きじゃない。」

「!」

「そんな!…気持ちは無くても…キスはしたいってヤツが居るかもしんないだろ。」

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