僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「でも、そこから始まることだって、あるかもしれないじゃ」

「あのさ!!もっと自分を大事にした方がいーよ!ホント!」

「…」


茜が黙り込んだことに、
徳幸は気がついてはいた。


でも、ものすごく腹が立って仕方がなかった。


何をこんなにムキになっているのか、分からない。


茜の恋愛感が、
すでに、
大人びていたことに、焦りを感じたのか?


自分がまだ経験がないことで、
子供扱いされたなどと思ってはいない。


ただ、ここ数日、

茜とタカのことや、
波多野と彼氏のことで、

自分のまわりに居る女の子が、
急に“女”に見えてきて…


勝手に、
コンプレックス的なものを、
感じていたような気はする。


(八つ当りか?)


それとは、また違うような…


実際に行動に出たワケではないのに、
さっきの茜の発言で、
茜の行動力がリアルに感じられ、

タカとのキスシーンが頭に浮かんでくる。


それならまだしも、

その先まで想像してしまうと、
必死に頭から掻き消した。

(絶対、ヤツの方から手を出したに決まってる!)

< 175 / 202 >

この作品をシェア

pagetop