僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

行き違う心

『海イクぞ〜!』


神戸からメールが入った。


指示された日時と場所に、重い足を運ぶと、
やはり、碧人の姿もあった。


(そんなこったろーと思った。)


徳幸は分かっていたが、
いつまでも、このままではマズイと思っていたし、
小出家で、茜と会ってしまうよりは良いと考えて、
今日、ここまで来たのだった。


「おっす、いじけ虫くん。」


想像どおり、先に歩み寄って来た碧人に、

「そっちこそイジケてんじゃねーの?」

いつもの様に返す徳幸。


「は?なんのことかな?」

「まあまあ。早く行こーぜ。」


もうコレで、わだかまりは解けたのだった。


それからは、
曲の話やライブのこと、
そして、
まわりにいる、
水着ギャルやカップルについて、
あーだこーだと、勝手に評価してるくせして、
そんな自分達は、
小学生くらいの子供のように、はしゃぎ騒いでいた。


神戸の目論みは、大成功と言っても良いだろう。


そうなると、
さっそく、次の練習の日取りが決まった。


本当は徳幸も、練習がしたくてたまらなかったし。

それに、
やっぱり、このメンバーで居ることが、
自分も、どれだけ楽しいかが、よく分かったのだ。

< 177 / 202 >

この作品をシェア

pagetop