僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
とりあえず、
徳幸を含む、暇人三人組は、
碧人の家でたむろっていた。


「それで、波多野とはどーなったんだ?」

「なにも。」

「こんだけの犠牲払ったんだ。まさか、これで終わりってことはないよなぁ?」

「るっせーな!波多野だって…“別れました。はい、じゃあ次!”ってワケいかねーだろーがぁ!」

「ふーん。じゃあ、考えてはいるってことだぁ?」

「今は…あいつも忙しいし。」

「だいたい、波多野がおまえを好きって言ったワケでもないしなぁ!」

「え?」

「冗談だよ。」

「あはは、ひで〜よトク!見たかよ、碧人の今の顔!」

「見た見た!」

「ふざけんなよ!そーゆーおまえらは、どーなんだよ!」

「俺、失恋したばっかだもん。」

「!」


徳幸の言葉に、
碧人の顔はひきつり、
神戸は、驚いた顔をしてみせた。


「あ、大丈夫!慣れてるから、俺!」

「そんなもんに慣れんなよ。」

そう言って、気まずそうにする碧人を見て、
徳幸も言い返した。


「違うよ!波多野のことじゃないよ!」


弁解して見えたのか、

気を利かせた神戸は、
トイレにでも行くフリをして、防音室から出て行った。


「なんだ?コービーのヤツ。」

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