僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「ごめん。」

「兄貴が悪いんでしょ?」

「そこまで知ってんだ。」

「今、かんちゃんから聞いてたの。」

「あいつ。」

「あたしがムリに聞いたの。兄貴には知らないフリするから大丈夫。」

「お!美しき兄妹愛。」

「兄がすみません。」

「いえいえ。」

「だってトクは…それで大丈夫なの?カオリンのこと」

「大丈夫ですよ。」

「…強がっちゃって!」

「なに言ってんの?これで、やっと安心できるってもんですよ。」

「それ本気?」

「もちろん。まだ、もう一つ、心配の種はあるんだけどね。それが、また手強いんだ。」


徳幸は笑いながら、
まっすぐ茜のことを見て言った。


「…」

「ま、こっちも引かないけどね!」

「どーしたの?今日は強気じゃん。」

「まぁね。お兄様のお許しを得てますから!」

「そんな話してたの?」

「はい。お互い頑張ろうって、言ってもらえました。」

「言ったでしょ。あたしは、トクとあっちゃんを」

「それでもいいから!」

「!」

「だって実際、そいつは今の君に、何もしてあげることが出来ないじゃん!だから、俺がそばにいてやるよ!まるごと面倒見てやる!」

「!」

「どうだ!まいったか!」
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