僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「あ、木村ですけど。」

「…お〜!キム〜!なんだよ、全然連絡もしねーでよぉ!」

「ごめん。俺さぁ、横浜に越してきたんだ。」

「マジで?いつから?」

「春。」

「なんだよ、言えよ!」

「わぁりぃ。転校、受験、引っ越しってバタついてたから。」

「まぁいいや!久しぶりにさ、また会おうぜ!」

「そのつもりで電話した。」


徳幸は、碧人やコービー達の、気兼ねの無い関係に感化されたのか、
昔、ここの近くで過ごしていたこともあって、
小学校の時に一番遊んでいた友達で、しばらくは連絡も取り合っていた梅原に電話をしていた。


「あっ、そうだ!」

「ん?」

「あー、…いや!」

「?なんだよ?」

「これ、携帯からだろ?」

「ああ。」

「今度ゆっくり話したほうがいいかな?」

「なに?長くなる話?」

「たぶん。あー、わかんねーけどぉ。」

「なんだよ!軽く頭だけでも言えよ!」

「んー。…恩田未知子の男さぁ、死んだんだぜ。」

「え?」

「北村恭一だよ!」

「…嘘だろ?」

「マジマジ!バイク事故で!」

「いつ?」

「去年。あの人、うちの中学じゃあ有名人だったから、朝礼の時、皆で黙想したんだ。関わりのあったヤツは泣いてたよ。」

「…」

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