僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
その日も、帰りに小出家に寄るつもりで、
ギターを担いで登校する徳幸の肩を、後ろから叩く者がいた。
「おはよ!」
「お、おす。」
振り返ると、それは波多野だった。
「なんか元気なくない?」
「つか、なんか元気ありすぎじゃね?」
確かに徳幸は怠かった。
昨夜の電話で聞いた話が、
実は、その後も気になって仕方がなく、
少し寝不足気味だったのだ。
“恩田未知子”とは、
祖母と一緒に住んでいた頃の小学校にいた、
一つ上の女の子で、
徳幸の初恋の相手だった。
でも彼女の側には、いつも一緒の男の子がいて、
その男の子も、彼女のことが好きらしく、
ちょかいを出す者を、威嚇しているように見えた。
徳幸の転校が決まった時、頑張って、気持ちを伝えたのだが、
思いは届かず…
どっちにしろ、小学生の遠距離恋愛など、成立しなかったにせよ、
その時の、彼女の真面目な受け答えに、心打たれた徳幸は、
よっぽど嬉しかったらしく、
今だに、甘酸っぱい、良い思い出として、心の隅に置いていた。
そしてしばらくしてから、
彼女が、その男の子とつきあいはじめたという情報を聞きつけ、
なんとなく安心したのか、
梅原と連絡を取る回数は、減っていった。
ギターを担いで登校する徳幸の肩を、後ろから叩く者がいた。
「おはよ!」
「お、おす。」
振り返ると、それは波多野だった。
「なんか元気なくない?」
「つか、なんか元気ありすぎじゃね?」
確かに徳幸は怠かった。
昨夜の電話で聞いた話が、
実は、その後も気になって仕方がなく、
少し寝不足気味だったのだ。
“恩田未知子”とは、
祖母と一緒に住んでいた頃の小学校にいた、
一つ上の女の子で、
徳幸の初恋の相手だった。
でも彼女の側には、いつも一緒の男の子がいて、
その男の子も、彼女のことが好きらしく、
ちょかいを出す者を、威嚇しているように見えた。
徳幸の転校が決まった時、頑張って、気持ちを伝えたのだが、
思いは届かず…
どっちにしろ、小学生の遠距離恋愛など、成立しなかったにせよ、
その時の、彼女の真面目な受け答えに、心打たれた徳幸は、
よっぽど嬉しかったらしく、
今だに、甘酸っぱい、良い思い出として、心の隅に置いていた。
そしてしばらくしてから、
彼女が、その男の子とつきあいはじめたという情報を聞きつけ、
なんとなく安心したのか、
梅原と連絡を取る回数は、減っていった。