僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2

気遣い

梅雨が晴れる頃には、
早くも、総体の結果の出た部活もあり、

海開きが過ぎた頃には、
一年生のブラバン活動は、落ち着きをみせていた。



「じゃあ、行きますか?!」


バンドメンバーと、波多野の女友達数人とで、
海に行く企画がねられていた時のこと…


「俺、横須賀の海って行ったこと無いかも。」

「そーかぁ。トクは湘南育ちかぁ。わざわざ他んとこ行かねーよなぁ。」

「じゃあ、そっち行く?」

「あたしは良いよ!そっちでも!」

「いや、い〜〜よ!!」

「なんだよトク!その“来るな”的な言い方!?」

「海が汚れるからヤメてくれ。」

「アッタマ来た!絶対行ってやる!」

「じゃあ、俺はこっちで」

「どーぞどーぞ!俺ら、意地でも湘南、行ってやるかんな!」


それを聞いていた碧人が言った。

「ははっ!トクも言うようになったな!」

「コービーとトクちゃんでジャンケンすればぁ。」


この、波多野の提案に、

「よーし!」

「負けねー!」

「最初はグー、ジャンケンポン!!」

「!イエーイ!勝ち〜!湘南!湘南!」

「マジかよ〜!絶対誰かと会うよ〜!」

結果、うなだれる徳幸。

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