僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
コンビニまでの道のり、
徳幸は緊張していた。


「前もこんなことあったよね。」

「え?」

「まだこの辺の道が分かってなくて、あたしが」

「あぁ、そうだった。」

「さっき、光一の話題の時の“海”で思い出したんだけど」


徳幸はドキッとした。


(弟の事故の件?光一との会話が聞こえてたか?)

今の徳幸は、波多野と言えばソレだった。


「海の帰り道、女の人とすれ違ったじゃん?覚えてる?」

「え?!」

「トクちゃん振り返ってたんだけどなぁ、あん時。」

「う、うん。」

「やっぱり!知ってる人?」

「まあ…」

「話かければ良かったのに!あの人も見てたんだよ、トクちゃんのこと!」

「マジ?」

「マジ!すれ違う時と、そのあとも。」

「…」

「トクちゃんが振り返ったから、あたしも振り返って見たの。そしたらあの人、立ち止まって振り返ったんだけど、その時はトクちゃん見てなくてさぁ。言おうとしたんだけど、お婆ちゃん家に行くって、そこで別れちゃったじゃん。」

「あ。」

「てっきり、あのあと連絡でもとるのかなぁって…呼び止めれば良かったね、ごめんね。」

「なんで波多野が謝るの?」

「だって、」

「あの時だって謝ってた。」

「?いつのこと?」

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