僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「あれ?もしかして、ソレを言うために、今、付いて来てくれてたりして?」

「せっかく思い出したから、忘れないうちに!」


徳幸は、そんな波多野の心遣いに感心して


「初恋の人だったんだ。」

と、誘導されたかのように答えていた。


「へー!」

「そっかぁ。気付いてたのかぁ…」

「あの人、年上?」

「うん。一つ。」

「えー、もっと上に見えた。大人っぽいんだね。」

「そ?昔は男の子みたいな娘だったんだよ。」

「そうは見えなかったなぁ…よくわかったね?あ、あったり前か!初恋の人だもんね!」

「ふっ。(そう言われれば、随分女らしくなってたなぁ。)5年も経ってんだもんなぁ…やっぱ、彼氏が……できたりすると変わるんじゃね?女って!」

「そんな情報、知ってたんだ?」

「ああ、聞いてた。(死んだなんて話、波多野には言えねーよな。気を付けないと。でも、そーゆー経験が、大人にさせるもんなのかな?波多野も他の女子に比べて、落ち着いてるってゆーか、アネゴハダってゆーか…)」

「ねぇ!聞いてるの?」

「え?!」

「やっぱり、なんかあったんだぁ!ねぇねぇ、あの瞬間どうだった?久々に会ってドキドキしてた?」

「んー。“気付くかなぁ”って、“やっぱわかんねーかぁ”って感じ。」

「…そんだけ?」

「俺、その昔フラレてっから!」

「あらら。」

「でも、良い思い出だよ。」

「それで良いのぉ?あの人、振り返ってたのになぁ。」
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